包括的治療とは

美しく健康的なお口を実現するために、当院では歯周病治療・咬み合わせ治療・矯正治療・審美治療等の総合的な知識、経験を取り入れ、全顎的治療を行っております。

包括的治療

「歯が痛いからむし歯を治してもらおう」
「歯ぐきが腫れてきたから歯周病のケアをしてもらおう」
「歯並びが気になるから矯正歯科に行こう」

歯科医の治療をこのような理由から受けるものだと考えていませんか?しかし一つに特化した治療をしただけでは、本当に美しく健康なお口にすることにはなりません。

当院では口腔内全体の健康状態を診るだけでなく、咬み合わせや顎関節などをトータルに考え、患者さん一人ひとりのお口にもっとも適した治療を行っております。これが当院の考える基本的な治療であり、包括的治療ともいいます。

コンサルテーションを大切にしています包括的治療
当院が大切にしているのは、患者さん一人ひとりが持つお口の悩みに耳を傾けることです。そのため、本格的な治療を行う前に行っているコンサルテーションは、非常に重要な意味を持っています。

「どうされましたか?」
この一言から、診療がはじまります。

患者さんはそれぞれに、歯が痛む、歯ぐきが腫れているといった主訴をお持ちです。もちろん痛みや腫れなど急性の症状がある場合は、その部位を診察したうえで原因を取り除くための応急処置をします。しかしその前に、当院では患者さんの同意を得たうえでレントゲン写真の撮影や、必要に応じて口腔内の模型を作らせていただき、それを基により正確な診断をいたします。

たとえばコンサルテーションで詳しく患者さんのお話をうかがっていると、
「何度治療を繰り返しても同じところの具合が悪くなる」
「歯の具合が悪くなってきたのと同期したように身体全体の調子が悪くなった」

などといった症状の背後にあるものを感じることがあります。

そこでレントゲンを撮り、模型を作って患者さんのお口の状態を調べてみると、歯並びが乱れていることにより咬み合わせが悪くなっていることが原因であったり、歯ぎしりや食いしばりといった習癖が原因だったりという「隠れた原因」が姿をあらわすのです。

顎と顎関節との不調和が"歯科的ストレス"に

歯科的ストレス歯科的ストレスというと、連想されるのはむし歯の痛みなどお口の中で生じる痛みでしょうか。しかし、ときには激しい偏頭痛や背中、首の痛み、耳の痛み、慢性的な疲労感、イライラ感、腰や膝の痛みといった、ともすると歯とは関係のないような症状が歯科的ストレスとしてあらわれることがあります。

その場合、多くは顎と顎関節の不調和から生じたものと考えられます。しかし、一般の歯科医院ではこうした歯科的ストレスについての知見がなく、こうした症状を訴える患者さんは内科や整形外科、ときには精神科にまわされてしまうことになります。

当院では、患者さんとのコンサルテーションでこのような症状の訴えをお聞きした場合、まずは顎と顎関節との関係を診査いたします。その結果、顎と顎関節がわずかにずれている顎偏位症であると分かることが少なくありません。

顎偏位症とは
下顎の位置が正常な位置からわずかに偏っている状態を顎偏位症といいます。偏る度合いは10㎛のものから数ミリにまでおよぶ場合もあります。

顎偏位症の治療
顎の位置を適正な位置に補正することが基本です。多くの場合、マウスピースを使ったスプリント療法によって咬合位を改善することにより、症状の緩和が見られます。ただし、顎の適正な位置は全身の重心の影響を受けて変わっていくため、補正するのは簡単ではありません。完治するまでには数年かかることもあります。

ショルダーバッグを掛けられなかった女性
ある患者さんの場合は、左側の歯ばかり悪くなるため、これまで抜歯をしたうえでブリッジにする治療を受けてきたことを話してくれました。しかしブリッジをすると、その歯がまた悪くなるというのです。そして話の中で、自分はショルダーバッグを持つ時、片方の肩にしか掛けることができないのだと話されました。

こうしたお話しから原因をさぐっていくと、どうやら上下の顎のバランスが崩れていて、そのために顎関節症となって左側の歯に悪影響をおよぼしているらしいことが分かってきました。また、ショルダーバッグが掛けられないのも、顎のバランスの崩れによる全身症状のひとつだということも明らかになりました。

このような場合には、歯列矯正をして全顎的にバランスの調整をすることが望ましいのですが、この方の場合はご高齢ということもあって矯正はしたくないというご要望でした。そこで次善の対策として「スプリント」という樹脂製のマウスピースを、暇なときや眠るときにつけていただくようにしました。

それにより歯の調子も肩のバランスも随分よくなりました。

こうした事例も、コンサルテーションを行うことによって得られた適切な治療だといえるでしょう。

どんな治療も、歯周病対策が基本です

歯周病対策が基本当院の包括的治療では、以上のように咬み合わせを重視した診査・診断を行っております。咬み合わせの状態を知るために、より精度の高い診査を行うときには、キャディアックス・システム(あごの動きを計測するための機器)を用いてミリ単位で顎変異の量を計測しています。

また当院では、咬み合わせとともに歯周病対策にも力を入れています。どんなに精度の高い咬み合わせの治療をしても、歯周病が進行して歯がグラグラになってしまったのでは意味がありません。

治療をはじめる前に、ブラッシングなどのお口の手入れをご指導してプラークコントロールに努め、歯周病の予防にご協力いただいています。さらに、すでに歯周病が進行している患者さんについては、歯周病専門医による治療を徹底して行っております。

●キャディアックス・システム(Cadiax System)とは
ウィーン大学名誉教授のProf. R. Slavicek氏の理論に基づいて開発された、顎機能咬合診断診療プログラムです。キャディアックス下顎運動測定装置によって得られたデータをコンピュータで解析し、患者さん一人ひとりの骨格形態を分析して適切な咬合器を設定し、最終補綴物を製作するのに使います。

治療に必要な期間は、およそ1年半です
包括的治療では、咬み合わせ治療をふくむ全顎的な治療を行っていくので、治療が終了するまでにはおよそ1年半ほどの期間がかかります。お口の中の問題をすべて解決するには、それだけの時間が必要になるのです。

もちろん、患者さんには治療の内容を丁寧にご説明し、納得していただいたうえで治療をさせていただきます。患者さんがかならずしも全顎的な治療を望まず、機会を改めて治療をご希望する場合には、決して治療を強制するものではありません。

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